【速報】就活という戦地に飛び交う暗号を解読した。(前編)
(出典:フリー素材)
――― 初夏。
就職活動という戦地から帰還した退役軍人達の会話を耳にしたとき、彼らが使用している言葉に違和感を感じた人はいないだろうか?
「就職活動」という名の激戦地には、その地特有の「暗号」が飛び交っている。
暗号の意味もわからず特攻し、最前線の地で戦う戦士と共同戦線を結ぼうとしても地方出身足軽ということが即バレしてしまい、後ろから射殺されるかもしれない。
事前の情報収集無くして特攻することの愚かさを身をもって感じた就活戦士チホジョはこの暗号と読解をまとめて以下に記載した。
- 合説(読み方:ごうせつ)
多くの企業が一同に会し、説明会を開催してくれる良心的イベント「合同説明会」の略称。様々な会社から大量に会社案内等を貰うが後々見返すことは少ない。歩くだけで荷物が増えるこの「合説」、就活時期の肩凝りを誘発する元凶とも言える。
地方の合説に訪れる有名大企業は少数であり、意識チョモランマ系学生は東京や大阪の合説に参加者する傾向があるようだ。
企業ブースにより参加学生の多さにはっきりと差が現れるので、企業の潜在採用力を可視できる。
- ES(読み方:エントリーシート)
自分が行きたい会社に応募する際提出する、自己紹介書のようなもの。
WEB上での提出や手書き郵送など会社によって作成&提出様式が異なる。稀に手書き6枚の提出を要請する恐ろしい会社もあり、「腱鞘炎の生みの親」とも呼ばれている。
- GD(読み方:グループディスカッション)
学生が輪になって座り、採用側が提出したお題について徹底的に議論しあう。基本的に5~6人程度で行うが、たまに10人程で行うこともある。
議論前のアイスブレイクタイムにはすでに学生間でのマウンティングが始まっているので、「どこ大ですか?」という軽いジョブに対し、「海外大卒です」と軽くアッパーをかましておくと効果的。
- OB・OG訪問(読み方:オービーオージー訪問)
自身が行きたい業界で働いている社会人の先輩を訪ね、根掘り葉掘り聞きだすイベント。
「福利厚生や残業の有無等を聞きたいが、仕事にやる気がないと思われたくない」というジレンマに悩まされ、結局すべてを聞き出すことができず不完全燃焼で終わる場合も多い。
地方大学の学生には馴染みがないが、都心部の学生は、50~100人OBOG訪問をしている。OBOG訪問の数によって採用不採用が分かれる企業も存在する。
- リクルーター
「自社に来てほしい」と思った学生が逃げないように、あの手この手を尽くすお目付け役。金融やメーカー等に多く見られる。出没場所は説明会や座談会。
気に入った学生を喫茶店に呼び出し、学生の情報を聞き出そうと様々なアプローチを試みる。口癖は、「この会話、選考には一切関係ないから」である。
だが、この口癖は、
「行けたら行く」 「先っちょだけだから」
と並び、「日本三大信用がないセリフ」に登録されている。
リクルーター制度は、「俺、リクついた!」と、一々報告しマウンティングしてくるドヤ生を生み出してしまう悪システム。リクルーターが付かずとも受かる人は受かる。
- みんしゅう
株式会社楽天が運営する就活生専用の掲示板。
表向きは、選考情報を共有する社交場。しかし、毎年多くの虚言による茶番が繰り広げられ、度肝を抜かれる名言が生まれることから「就活生によるエンターテイメント場」と定義付けることも可能。人事が自社の掲示板を盛り上げるよう躍起になっているという噂もあるほど、就活生に対して大きな影響力を持つ。
著者の日課が「みんしゅうを見ること」だったことは言うまでもない。
- 全通①
対策に多大な時間を費やし、知恵を振り絞って選考を受けたにも関わらず、なぜか全員が合格するとかいう謎な現象。一次試験または最終試験で多く見られる。
実は選考に落ちたにも関わらず、口惜しさと恥ずかしさが相まって通過詐欺をする人が多かった場合も「全通疑惑」が浮上する。浮上先は主に「みんしゅう」
- 全通②
一社も選考に落ちなかった自慢のこと。人によって、選考数、受験会社の難易度がそれぞれ異なるので、全通に対する評価基準は曖昧である。
この手の自慢は、大手の内定蹴ったドヤを繰り広げる雰囲気イケメンのベンチャーの社員などに多くみられる。
続編②へつづく↓